「原発をやめられない社会」をやめることができるか 1月8・9日 関西学院大災害復興研究所・日本災害復興学会合同フォーラム
1・17(阪神・淡路大震災発生の日)がやって来ました。例年、関西学院大の災害復興研究所と日本災害復興学会は1・17の直前に合同でフォーラムを開きます。しかし今年のフォーラム(1月8・9日)はいつになく緊迫していました。
テーマはズバリ「フクシマ再生・よみがえれ東北」。9日に西宮の関学大で開催されたまとめのフォーラムでは社会学者の宮台真司さん(首都大学東京)が注目の基調講演を行いました。
宮台さんは聴衆を挑発するかのように刺激的なフレーズを連発します。例えば虐待について。地域の問題なのにひとは行政を批判するだけ。あるいは見せ掛けのスローフード。食の生産と消費の問題を解決しないで良い物だけ市場(しじょう)で買えばよいという態度。要するに、私たちは地域の問題を自分たちで解決できず、行政と市場に丸投げし、結果として毎年3万人以上も自殺者を出すという不幸な社会に住んでいる。エネルギー問題もおなじことだ、だから今のままでは原発はやめられない、と宮台さん。
では不幸な社会を変えるにはどうすればいいのでしょうか? 宮台さんは、ちょっと難しい言葉ですが「非行政的な公共性」に向かえと呼びかけます。同じことですが、共同体自治を実現せよと提案します。これもまだ抽象的でわかりにくい。具体的にどうやったら共同体自治が実現するのでしょう? ここでも彼は挑発的です。「良い事をすればもうかる社会」をつくれ、企業もNPOもソーシャルビジネスも社会貢献を「事業」で競い合えと訴えるのです。そして原発は民主主義と共同体自治になじまないと断定し、みずからも関わる「世田谷電力」設立の構想とそれを金融的に支援する城南信用金庫の実例を示唆して講演を終えました。
宮台さんの基調講演の紹介だけで字数が尽きました。続いて行われたシンポジウムにもいろいろ紹介したい内容が盛りだくさんだったのに残念です。世田谷電力構想に刺激されて「阪神市民電力会社」などということばが脳裏をよぎりました。これについてはまたの機会に。
(池田啓一・都市生活コミュニティセンター理事)
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