11月11日、大阪府堺市産業振興センターで開催された大試食会「食のフェスタ2012」に参加しました。
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東日本大震災については、エスコープ大阪、生活クラブ都市生活の両生協の組合員に呼びかけている「つながるカンパ」を原資に、都市生活コミュニティセンターを加えた三者でプロジェクトチームを作り、被災地支援・避難者支援の活動をしています。
今回の「食のフェスタ」では、復興支援コーナーを設け(左写真)、エスコープの奥理事長をはじめ両生協の理事とTCC職員が担当。エスコープの組合員の皆さんへ、つながるカンパを使った支援活動の報告を行いました。
これまでの活動を紹介したポスター展示を行ったほか、福島県新地町の仮設住宅で作っている「エコたわし」や、生活クラブ連合会で取り組んだ新地町のりんご(左下写真)、宮城県亘理町のFUGUROの販売を行いました。
多くの方に興味を持って見て頂き、エコたわしとリンゴはその日のうちに完売。今後も機会があれば、支援のグッズを扱っていきたいと考えています。
都市生活コミュニティセンターの福祉事業部門では、職員の意識・技能向上のために計画を立てて、研修に取り組んでいます。
今回は10月にソーシャルコート神戸北、11月に都市生活ヘルパーステーションあしすとで行った研修の様子・参加者の感想を紹介します。
◆ソーシャルコート神戸北
10月14日(日)に神戸学院大学の備酒伸彦教授をお招きしました。
デンマークの施設の話からソーシャルコート神戸北のあり方を考えるというテーマで、運営状況の点検と、講演を頂きました。
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〈参加者感想〉
数々の現場経験を経てこられた、備酒先生ならではの臨場感のあるお話をお聞きすることができました。
芦屋市にある特別養護老人ホームは、私たちの想定を超える最先端の住宅で、設備と介護サービスは従来の介護サービスをより進化させて、北欧並みの介護に近づく努力をしている「本気の姿」を見せていただきました。
ソーシャルコートについてとてもレベルの高い施設だと褒めていただいたことは、スタッフ一同とても嬉しい事です。
時代とともに変わるケアという事で、傷を治すという生物レベルのケアから、豊かな生活支援という人レベルに変わってきた歴史と、その人に向けた専門性を発揮する事で自立支援を目指すことの重要性を学びました。
慣れ風景※となる怖さについてのお話では、一人で物事を考えていると、どんどん視野が狭くなるので、議論する事の大切さを忘れない様、努めないといけないと学びました。
(※普段の風景に慣れきると、気付くことができなくなる)
今回の備酒先生のお話では「普通である事の大切さ」普通というのは、人、一人ひとり異なる事を学ばせていただきました。ソーシャルコートの住人の方々は、それぞれ自立度は異なり、必要とする支援も異なり、その幅はとても広く、ほぼ自立の方から要介護の方までです。その一人ひとりの自立支援についてスタッフ一同一丸となり、考え、より良いサービスを提供していけるよう努めます。
(ソーシャルコート神戸北・沢辺克代)
◆あしすと武庫之荘
「介護される人の自然な動きをサポートし介助する方法」「普段行っている身体介護技術を見直し、要介護者や介助者にとって楽な方法」を目的に、身体介護勉強会を11月11日(日)に開催しました。
今回は地域の他事業所の皆さまにも「ケアに関わる職種として絶対必要とされる身体介護技術について勉強会をしませんか。」と、呼びかけたところ、多数ご参加いただきました。
会場は「武庫之荘ケアセンターそよ風」さま、福祉用具は「介護ショップひまわり」さまにご協力いただきました。ご指導は「なちゅは兵庫勉強会IN神戸」の増井様はじめIN神戸、IN大阪メンバーの皆さまにご協力をお願いしました。
当日はDVD「持ち上げない・引きずらない介護〜人の動きを観察する・体重を移す」(神戸学院大学制作)を教材に、人間の本来あるべき動きに注意し、体重移動をどのようにすれば自然に動けるのかを体感しながら、実習を行いました(上写真)。
1回の研修で習得するには難しい内容でしたが多くの気づきもあり得るものも大きかったと思います。
今回、他事業所の皆さまに快くご協力いただけたこと、地域のケアに関わる仲間と一緒に勉強することができ、心強く、またこれを励みに今後に繋がる研修となりました。
(あしすと武庫之荘・橋本重美)
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〈参加者感想〉
・人の身体は連続して動く。そのなめらかな動きをサポートしたい。体重が移動した事を、しっかり確認することが大事。順番や形にこだわらず、その人の自然な動きを引き出す介助が出来るよう、今後も勉強したい。
この勉強会を企画したあしすとのメンバーすばらしい!なちゅはさんのおかげでより充実した会になった。ありがとうございます。(あしすと武庫之荘・半田典子)
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・練習してきた内容をなちゅはさんのポイント説明で確認しながら行うことができた。あしすとだけでなく他事業所の方と一緒にする事で刺激し合えることが出来た。いい交流になったと思う。(あしすと武庫之荘・高橋綾子)
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・皆の学びたいという熱気が伝わってきた、良い研修だったと思う。身体介護と一口に言うが、まず、人の動きを知ること、気付いてくださいと講師の方が言っておられたが、それがないと無理に立ってもらったり、転がしたりということになってしまう。気持ちに寄り添いながら、身体の動きを的確にキャッチして動作してもらえるように、訓練していかねばと思った。(あしすと武庫之荘・松本教子)
私たちが活動をともにしている生活クラブ生活協同組合都市生活で、福島第一原発事故の関連で、下記の企画を行います。一般の方の参加も可能ですので、ぜひお越しください。
鎌仲ひとみ監督作品「内部被爆を生き抜く」
〜DVD上映会のご案内と参加者募集〜
生活クラブ生活協同組合都市生活ではこれまで、福島の子どもたちを招いたリフレッシュツアーの実施や、西宮市に避難されている方への茶話会の開催等々の支援活動を行ってきました。
そして今回、福島のおかれている現状をひとりでも多くの方と共有したいと思い、標記上映会を企画しました。午後には、被災地で暮らしている4名の方に福島の現状を語っていただきます。
◆日時 12月10日(月)
◇午前の部 10:30〜12:00 DVD上映会「内部被爆を生き抜く」
◇午後の部 12:30〜14:00 生活クラブふくしま生協の組合員に聞く
※午後の部では被災地で暮らす4名の方に福島の現状を語って頂きます。
◆ 会場 神戸市勤労会館(405・406号室)
◆ 参加費 800円
◆ お問い合わせ先・お申し込み方法
下記問い合わせ先まで、お名前と連絡先をお伝え頂き、お申し込みください。
◇NPO法人都市生活コミュニティセンター 担当:小松 0798-36-6679
◇受付時間は月〜金(10時〜17時)
◆主催 生活クラブ生活協同組合都市生活
10月21日、神戸サンボーホールで開催された「あいたくて都市生活」に参加しました。都市生活コミュニティセンターでは、東日本大震災支援プロジェクトの活動報告、ボランティアグループ「すまいる」による出張喫茶、出石町日野辺区のみなさんによる野菜直販、を出展しました。
東日本大震災支援プロジェクトでは、これまでの活動をポスター掲示。生協組合員に頂いたカンパの使途の報告を行いました。また青空市で応援している福島県新地町の仮設住宅でつくられたエコたわしやコースターの頒布、生活クラブ連合会を通じて呼びかけられたふくしまのリンゴ(放射線検査済)の直販を行いました。ヘルパーステーション「あしすと」のメンバーや神戸大学の学生ボランティア、プロジェクトを共にするエスコープの理事も駆けつけてくださり、元気いっぱい会場内をPRして回りました。
出石町日野辺区のみなさんは2004年の台風23号の救援ボランティア活動が縁となり、「あいたくて」に収穫したばかりの野菜を持って参加してくださっています。来場する組合員にも好評で、今年も完売。後日、売り上げをTCCの活動資金として寄付してくださいました。
ふれあい喫茶の活動を続けている「すまいる」も、ふだんの腕前を生かして、ケニア紅茶とペルーコーヒーを提供。こちらも昨年以上に好調な出足でした。
10月5日・6日、東日本大震災支援活動の一環として、生活クラブ都市生活・エスコープ大阪・都市生活コミュニティセンター(TCC)の三者のプロジェクトチームの派遣団が、宮城県亘理町で仕事づくりの活動をしているグループ「WATARIS」への訪問と、青空市やリフレッシュツアーで応援している生活クラブふくしまの大試食会に参加してきました。
◆大試食会に参加して
当日は少ない職員での準備は大変だったと思います。組合員のご主人とか皆さん沢山お手伝いがあったようです。震災後一年半が経ち少し落ち着いてきているように感じました(あきらめ?)。
福田事務局長の作ってくれたパネルを皆さん熱心に見てくださっていました。生産者の方もみておられました。
昨年今年のツアー参加者の方が6家族ほどブースにきてくれて懐かしく、話したかったのですが、バルーンアートをやっていたので(下写真)これも子供たちにとても好評で忙しかったです。私達のブースではやはり原発のことを話す人が多かったです。
福島だけの問題ではないのでやはり継続して寄り添っていかなくてはいけないと強く感じました。
(TCC理事長・林佳子)
◆つながりと活動深まる
(生活クラブふくしまは)1000人ほどの組合員なのに盛大で参加者も多い会でした。スタッフを集めるのも大変ではないか、と心配したが、組合員のご主人も強力な助っ人のようでした。都市生活では夫婦が別のブースを持つことはないですが、ふくしまでは別々の生産者について試食の手伝いをしていました。家族で生協祭を盛り上げる、という感じが伝わってきました。
プロジェクトのブースでは、去年(リフレッシュツアーに)参加した母子のご主人が訪ねて来て長く話をされていたのが印象的。去年の9月は精神的に参っていたようで、その時期に関西に行けたことのお礼を丁重に言われていました。それを聞いて、去年のリフレッシュツアーの重要性を感じました。
バルーンアートは子どもに人気で、会場の盛り上げになったようでした。
今夏のリフレッシュツアーの再開の場として、試食会でふくしまの組合員とつながりを持てたことはよかったです。久しぶりに会えてうれしかったですが、何人かはエプロンをして活動に参加していたのが、さらにうれしかったです。
(TCC理事/生活クラブ都市生活理事・小玉智子)
◆福島の皆さんのつぶやき
今回の生活クラブふくしま大試食会への参加は、これまで実施してきたプロジェクトの活動報告、今後の生活クラブふくしま組合員への支援の在り方を考えるといったことが目的でした。また、リフレッシュツアーおよび新地町組合員との再会もありました。
大試食会は関係者を含めて300人~400人程度の参加でしょうか。紅茶とクッキーのカフェは好評で話を聞くきっかけ作りとなりました。 被災当時の話、避難所の様子、原発による放射能汚染について、お話をしてくださいました。
〈ふくしまの皆さんのつぶやき〉
・会場までは自転車できた。当時はあちこちで食料をもらって炊き出しをした。先月息子が箱根旅行に連れて行ってくれてのんびりできた。
・都市生活の組合員のお宅で大変お世話になった。よろしくお伝えください。
・バーベキューをしたのがとても楽しかった。将来は看護師になりたい(昨年リフレッシュツアーに参加した高校2年の女の子)。
・避難所に自主的に野菜を届けた。野菜がなく困っている人がたくさんいた。
・毎日、福島放送のラジオを聞いて放射線情報を聞いているが安心と言われると、余計に不安になる。阿武隈川下流は今放射線量が高くなっている。
・息子夫婦が山形県米沢市に避難していたが、最近帰ってきて一緒に暮らせるようになって嬉しい。
・プロジェクトの活動を知ることができよかった。
〈WATARIS事務所〉
前日訪問になり、以前より話題となっていた震災被害のあった宮城県亘理町てしごとプロジェクトWATALISの訪問が加わり、代表の引地恵さんとお話しする時間が持てました。もともと民族資料館の職員だった彼女がなぜWATALISを起業し、「FUGURO」製作販売するようになったかといういきさつを聞くことができました。
ヒト・モノ・コトのつながり、結びつき、形にした、その自然なプロセスにとても共感しました。食のフェスタでは活動を紹介しながら「FUGURO」をカンパ販売し、また新たな出会いとつながりができることを期待します。
(エスコープ大阪常務理事・小林和子)